まさか自分がフェラーリを運転する日が来るとは思ってもいませんでした。
しかも、よりによって富士スピードウェイでの試乗。
……と言っても、別に大富豪になったわけでも、株で大当たりしたわけでもありません。
イベント応募に“まぐれ当選”しただけです。
それでもフェラーリから招待状が届いてしまった以上、行かない理由はありません。
というわけで、震える手で返信ボタンを押し、夢のような日を迎えることになりました。
会場の空気だけでテンションMAX
10月末の富士スピードウェイは快晴。
Aパドックに向かうと、すでにスタッフが整然と待機していました。
受付を済ませると、対応してくれた方がモデルのように美しく、
目を合わせることすらできずに「え、ここ本当に来ていい場所?」と自問。
中に進むと、フェラーリの世界観が全開。
赤、黒、カーボン、革。すべてが整いすぎていて、庶民代表の私は完全に場違いモードに突入しました。
「どうぞおくつろぎください」美女に案内されたソファに座るも、
スタッフが大勢いるのでまったく落ち着かず、結局、展示車の横をウロウロすることに(笑)。
ブリーフィングと、ミシュランタイヤの話
その後、ブリーフィングが始まりました。
フェラーリというブランド、そして296GTBというモデルについての説明。
296GTBにはブリヂストンとミシュランの2社がタイヤを供給しているそうで、
今回の試乗車はミシュラン仕様とのこと(地味にこういう話が一番好きだったりします。)

プロドライバーの隣で“首をピットに置き忘れる”
ピットに移動し、いよいよ試乗。
プロドライバーが11名も参加しており、
「プロの運転を助手席で体感」と「自分が運転し隣にプロが同乗」が本日のメイン。
私はまず助手席でプロの走りを体感。
ピット出口から全開加速──首をピットに置き忘れました。
エンジン+モーターで合計800馬力級のパワー。
猛烈な加速のあと、カーボンブレーキでの減速がまた強烈。
そして1コーナーへ。
車がまるで地面に吸い付くように向きを変えていきます。
ミッドシップ特有の動きに加え、
ショートホイールベースと高剛性リアが効いていて、
フロントの旋回にリアがピタッと追従する感覚は異次元でした。
「よくこんなギリギリでブレーキ踏めるな…」
助手席でただ感心するしかありません。
自分で運転して分かった“軽快さ”
続いて、自分でステアリングを握ります。
4000万円の車ですから、慎重に、慎重に。
それでも少し速度を上げただけでわかる、車体の軽さと応答性。
296GTBは1400kg台と現代の車では軽量。
そこにモーターのトルクと精密な電子制御が加わり、ただの「速い車」ではなく「意のままに動く車」に仕上がっていました。
V6になっても“フェラーリ”は健在
「V6になってフェラーリらしくない」なんて声もネットで見かけます。
でも、実際に運転してみると──
そんなの、素人には全く分かりません。
加速は十分すぎるほど力強く、エンジン音も室内外ともに迫力あり。
V12ほどの音圧ではないかもしれませんが、“フェラーリを操っている”という高揚感は間違いなくそこにあります。
「人は経験したことしか分からない」
今回、心の底からそう感じました。
フェラーリというブランドの強さ、
その裏にある技術と体験設計。
富士スピードウェイを貸し切り、スタッフを大勢配置し、消耗品のコストを惜しまず、プロドライバーまで呼ぶ。
その徹底ぶりを目の当たりにして、あの価格設定にも妙に納得がいきました。
貴重な機会を提供してくださった関係者の皆さまに、心より感謝いたします。
人生初めての“フェラーリ体験”。
貴重な時間でした。


管理人のYujiです。
BMWのM2に乗っています。休日のサーキット、早朝の峠、深夜の首都高で走らせています。
